アラキドン酸が不足するとどうなる?

加齢のせい?思考力の助けにアラキドン酸

脳が活発に働くためには糖質、脂質、タンパク質、ビタミンミネラルが必要です。中でも脳の60%を構成する脂質の摂り方が重要なのです。必須脂肪酸と呼ばれる成分は食事などから摂取しなくてはならない重要な成分です。オメガ3系脂肪酸に分類されるアラキドン酸は脳の働きをサポートする性質があります。

脳の中にはニューロンと呼ばれる神経細胞があります。神経細胞の先端のシナプスを通して情報を伝達しますが、その速度が早いほど脳が活発に働いている状態です。アラキドン酸が不足するとシナプスの伝達力が弱くなり、学習や思考、記憶などの力が低下してしまいます。

また、神経細胞から伝達物質が放出される際、細胞膜がやわらかい方がスムーズに情報が伝達されます。アラキドン酸が減少すると細胞膜のしなやかさが低下してしまい、伝達が滞ってしまうのです。

アラキドン酸は乳児の脳の発達にも欠かせない成分です。かつて人間の脳の発達は3歳までと言われていましたが、最近の研究から大人になっても神経新生が起こっていると言われています。アラキドン酸は大人の脳の発達にも必要なのです。

アラキドン酸はリノール酸を原料にして体内で生成するか、肉類やレバー、卵などから摂取する方法があります。通常の食生活を続けていれば不足することはありません。しかし加齢とともに体内機能が低下して体内で生産されるアラキドン酸の量が減ったり、食事量が減ることで不足に陥る場合があるのです。